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4–20mAと0–10Vの違いとは? PLCの換算式・配線・断線検出を解説

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4–20mA電流信号と0–10V電圧信号をPLCアナログ入力へ接続する比較図

結論から言うと、4–20mAは電流値で測定量を伝える方式、0–10Vは電圧値で測定量を伝える方式です。どちらが常に優れているわけではなく、センサーの出力仕様、PLCのアナログ入力、配線環境、断線検出の要否で選びます。

4–20mAは、4mAを測定下限、20mAを測定上限として使うため、0mAを異常候補として扱いやすいのが特徴です。0–10Vは回路が理解しやすく、電圧入力に対応した機器へ接続しやすい一方、配線抵抗や接地電位差、入力インピーダンスの影響を確認する必要があります。

この記事では、比較表、線形換算式、0~100℃の計算例、配線の概念図、250Ω抵抗の注意点、PLCの値が合わないときの診断順をまとめます。端子番号や入力レンジは製品ごとに異なるため、実機では必ずセンサーと入力モジュールのマニュアルを優先してください。

4–20mA電流信号と0–10V電圧信号をセンサーからPLCアナログ入力へ伝える比較図
4–20mAと0–10Vは、同じ物理量を異なる電気信号で表す方式です。

アナログ信号とPLC入力の関係

温度、圧力、流量、液位などの物理量は連続的に変化します。センサーや変換器は、その値を電流や電圧へ変換し、PLCのアナログ入力(AI)が読み取ります。PLCは読み取った電気量を生データとして扱い、設定したレンジとスケーリングによって工学値へ変換します。

デジタル入力がON/OFFの状態を扱うのに対し、アナログ入力は範囲内の値を扱います。ただしPLC内部の生データの範囲、分解能、符号、単位、エラー時の表現はメーカーやモジュールで異なります。「4–20mAなら必ず0~32000になる」といった一般化はできません。

4–20mAとは

4–20mAは、測定範囲を4mAから20mAの電流範囲へ対応付ける信号方式です。温度センサーなら、下限温度を4mA、上限温度を20mAへ割り当てます。中間の値は、線形センサーであれば比例計算できます。

なぜ0mAではなく4mAから始めるのか

4mAを測定下限にすると、信号が0mA付近まで落ちたときに、正常な測定下限と区別しやすくなります。電源喪失や断線などの異常を検出する余地があるため、4mAは「ライブゼロ」と呼ばれることがあります。

ただし、0mAを見たから断線と断定してはいけません。ループ電源の喪失、センサー故障、配線の外れ、入力モード設定の誤り、測定器の接続方法なども候補です。実際の異常判定は、機器の診断仕様と測定手順に従います。

電流ループと2線式

代表的な2線式の4–20mAループでは、電源と信号を同じ2本の線で扱います。送信器がループ電流を制御し、受信側のPLC入力や負荷抵抗を通って電源へ戻ります。電源電圧は、送信器の最低動作電圧、配線の電圧降下、入力抵抗などを満たす必要があります。

電流ループでは、電圧方式のように配線抵抗によって信号振幅そのものが直接決まるわけではありません。ただし、電源電圧に余裕がなくなれば送信器が正常に電流を制御できないため、「電流方式なら電源や配線抵抗を無視できる」という意味ではありません。

0–10Vとは

0–10Vは、測定範囲を0Vから10Vの電圧範囲へ対応付ける方式です。0Vが下限、10Vが上限で、5Vは線形範囲の50%に相当します。

電圧出力センサーでは、信号線と0V共通を使う3線式がよく使われますが、電源や端子構成は製品ごとに違います。0–10V入力の入力インピーダンスが十分高いか、信号源が要求される負荷を駆動できるか、共通線の電位差やノイズの影響がないかを確認します。

例えば、あるSiemens製品の仕様では0–10V入力の入力抵抗を100kΩ、4–20mA入力を460Ω未満として示しています。一方、Phoenix Contactの特定I/Oモジュールでは電圧入力の代表値276kΩ、電流入力の代表値107Ωと記載されています。これは製品仕様の例であり、すべてのPLC入力に共通する値ではありません。

4–20mAと0–10Vの違い

比較項目4–20mA0–10V
信号の量電流電圧
標準的な範囲4mA~20mA0V~10V
長距離配線電源電圧と負荷条件を満たせば扱いやすい配線抵抗、ノイズ、共通電位を確認
断線検出0mAや機器固有の異常値を候補にできる0Vが正常下限でもあるため機器仕様が重要
配線上の注意ループ電源、負荷抵抗、極性、許容負荷信号線、共通、入力インピーダンス、接地
PLC設定電流入力レンジ電圧入力レンジ
向いている場面ノイズや配線条件を考慮する計装信号など短めの配線や電圧出力機器との接続など

「4–20mAは長距離向け」「0–10Vは短距離向け」という説明は選定の入口としては使えますが、距離だけで決めるのは危険です。ケーブル、電源、シールド、接地、入力モジュール、設置環境を含めて確認します。

PLCで使う線形換算式

測定範囲の下限を L、上限を H とします。センサー出力と物理量が線形である場合、次の式で工学値へ換算できます。

4–20mAの換算式

測定値 = L + (I[mA] − 4) ÷ 16 × (H − L)

ここで I は実測電流です。4mAなら下限L、20mAなら上限Hになります。範囲外の値をそのまま工学値へ変換するか、異常として扱うかはPLCプログラムと機器仕様で決めます。

0–10Vの換算式

測定値 = L + V[V] ÷ 10 × (H − L)

ここで V は実測電圧です。0Vなら下限L、10Vなら上限Hです。センサーが2–10Vや1–5Vの場合は、入力レンジに合わせて下限と幅を置き換えます。

計算例:0~100℃の温度センサー

測定範囲を0~100℃とします。4–20mAではL=0、H=100を代入します。

信号計算温度
4mA0 + (4 − 4) ÷ 16 × 1000℃
8mA0 + (8 − 4) ÷ 16 × 10025℃
12mA0 + (12 − 4) ÷ 16 × 10050℃
16mA0 + (16 − 4) ÷ 16 × 10075℃
20mA0 + (20 − 4) ÷ 16 × 100100℃

0–10Vの場合は次の対応になります。

信号計算温度
0V0 + 0 ÷ 10 × 1000℃
2.5V0 + 2.5 ÷ 10 × 10025℃
5V0 + 5 ÷ 10 × 10050℃
7.5V0 + 7.5 ÷ 10 × 10075℃
10V0 + 10 ÷ 10 × 100100℃

圧力センサーの測定範囲が0~1MPaで、4–20mAが12mAなら、0 + (12 − 4) ÷ 16 × 1 = 0.5MPaです。センサーの特性が非線形なら、この式だけでは足りず、校正表や補正曲線が必要です。

0~100℃を4–20mAと0–10Vへ線形換算し250Ωで1~5Vへ変換する図
同じ0~100℃でも、信号方式によって入力値の範囲が変わります。

PLCのアナログ入力で確認すること

  • 入力モジュールが電流入力か電圧入力か。
  • 4–20mA、0–20mA、0–10V、2–10Vなどのレンジ設定。
  • 生データの範囲、分解能、符号、エラー表現。
  • 入力抵抗や許容負荷、絶縁、共通端子の仕様。
  • スケーリングの下限・上限と単位。
  • 断線・オーバーレンジ・アンダーレンジの診断方法。

同じ4–20mAでも、モジュールによって生データの表現や診断ビットが違います。PLCの設定画面だけでなく、入力モジュールのマニュアルとセンサーの校正範囲を突き合わせます。

配線の考え方

次の図は、4–20mAと0–10Vの接続概念を示したものです。2線式、3線式、4線式、電源内蔵、絶縁の有無、端子名は製品によって異なります。実機の配線では、図の形だけを根拠に接続せず、必ず製品マニュアルで極性と共通端子を確認してください。

4–20mA 2線式ループと0–10V 3線式のPLC接続概念図
これは端子番号を示さない概念図です。製品マニュアルを優先してください。

4–20mAで確認する点

  • ループ電源の電圧と極性。
  • 送信器、PLC入力、負荷抵抗が1つのループとして成立しているか。
  • 許容負荷と配線の電圧降下。
  • 電流入力へ接続しているか。電圧入力へ直接入れないこと。

0–10Vで確認する点

  • 信号線と0V共通の接続。
  • センサー出力の電源とPLC入力の入力インピーダンス。
  • 共通線の電位差、シールド、接地ループ、ノイズ。
  • PLC側が0–10V入力として設定されているか。

250Ω抵抗で4–20mAを電圧へ変換する

抵抗に電流を流すと、オームの法則 V = I × R により電圧が生じます。電流Iはアンペアで計算するため、4mAは0.004Aとして扱います。

電流計算(R=250Ω)抵抗両端の電圧
4mA0.004 × 2501V
12mA0.012 × 2503V
20mA0.020 × 2505V

このため4–20mAは、250Ωの抵抗を使うと1~5Vとして測定できます。Analog Devicesの資料でも、250Ω負荷で4mAが1V、20mAが5Vになる例が示されています。

ただし、抵抗を追加すればどの入力でも使えるわけではありません。ループ電源の余裕、送信器の許容負荷、PLC入力抵抗、抵抗の許容電力、発熱、精度、絶縁条件を確認します。20mA・250Ωでは抵抗の消費電力は P=I²R=0.020²×250=0.1W ですが、許容電力には温度上昇や余裕を含めて選びます。

断線検出と異常値の考え方

4–20mAの正常な測定範囲は4~20mAです。0mAは正常な測定下限ではないため異常候補になりますが、断線だけでなく電源喪失や送信器故障も疑います。20mAを超える値も、レンジ超過、異常信号、入力設定ミスなど複数の可能性があります。

NAMUR NE43に対応した機器では、3.6mA未満や21mA超を診断用の異常範囲として扱う例があります。ただし、これは対応機器の仕様と設定が前提です。すべての4–20mAセンサーが同じ値を出すとは限らないため、PLC側で固定値だけを断線判定に使わないでください。

0–10Vでは0Vが正常な測定下限になるため、0Vだけでは断線と判定できません。機器が断線時に特別な電圧を出すのか、PLC入力が断線診断を持つのか、センサー電源の状態と合わせて確認します。

PLCの値がおかしいときの診断フロー

  1. 入力モード:PLCが4–20mAか0–10Vか、正しいレンジか確認する。
  2. 配線:極性、信号線、0V共通、ループの戻り、断線を確認する。
  3. 電源:センサー電源またはループ電源が規定範囲か確認する。
  4. 実測:適切な測定器と手順で電流または電圧を測り、センサー出力と比較する。
  5. 換算:下限・上限・単位・符号・生データのスケーリングを再計算する。
  6. 仕様:入力抵抗、許容負荷、分解能、診断範囲が機器仕様に合うか確認する。
症状候補最初に見る場所
PLCが0になる入力設定、電源、断線、共通線実測値と入力モード
上限に張り付くレンジ違い、短絡、換算上限の誤り入力レンジと配線
値がふらつくノイズ、シールド、接地、電源センサー側と配線環境
実測と表示が合わないスケーリング、生データ、単位PLCプログラムとモジュール仕様
4–20mAを電圧入力へ接続信号方式の取り違え入力種類と負荷抵抗

通電中の端子測定や抵抗追加は、短絡や感電、設備停止につながることがあります。安全手順、ロックアウト、測定器のカテゴリ、設備管理者の指示を優先してください。

4–20mAと0–10Vの選び方

選定では、次の順に確認すると判断しやすくなります。

  1. センサーの出力方式と測定レンジを確認する。
  2. 既存PLCの入力方式、入力抵抗、電源、診断機能を確認する。
  3. 配線距離、ノイズ、接地、シールド、危険場所などの環境を確認する。
  4. 断線検出や異常値通知が必要かを決める。
  5. 保守担当が測定・交換しやすい方式かを検討する。

既設設備では、PLC入力とセンサー出力を合わせることが最優先です。新規設計でも、電流方式と電圧方式の一般論だけでなく、選定する製品の電源・負荷・入力仕様を照合します。

FAQ

4–20mAの4mAはなぜ必要ですか?

測定下限を0mAから離すことで、信号が0mA付近へ落ちたときに異常候補として扱いやすくするためです。ただし、実際の診断方法はセンサーとPLCの仕様によります。

4–20mAの12mAは何%ですか?

4~20mAを0~100%へ線形対応させる場合、12mAは50%です。式は(12−4)÷16×100で求めます。

0–10Vと4–20mAは直接接続できますか?

入力方式が違うため、直接接続できると考えてはいけません。対応する信号変換器、負荷抵抗、入力レンジ、電源条件を確認します。

4–20mAの断線はどう判断しますか?

0mAや機器が定める異常範囲を候補にしますが、電源喪失・センサー故障・設定ミスを切り分けます。NAMUR NE43の値を使う場合も、対応機器であることを確認します。

PLCのアナログ値が整数になるのはなぜですか?

入力モジュールがADCの結果を規定の分解能とデータ形式でPLCへ渡すためです。整数の意味や範囲はモジュールごとに異なるため、マニュアルを確認します。

まとめ

4–20mAは電流ループ、0–10Vは電圧信号です。4–20mAはライブゼロとループ診断を活用しやすく、0–10Vは電圧入力との関係が直感的ですが、どちらも電源・配線・入力仕様の確認が必要です。

実装時は、信号方式を確認してから換算式を適用し、実測値とPLC表示値を照合します。250Ω抵抗で1~5Vへ変換する場合も、許容負荷・入力抵抗・電源・抵抗の定格を確認してください。断線や異常値は数値だけで決めつけず、機器仕様と診断手順で切り分けるのが安全です。

参考にした一次情報