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OpenAI Agents APIとは?Codex型AIエージェントをAPIから動かせる新機能を解説

初回掲載日:2026/09/12
最終更新日:

AI Agent、Tools、Workと書かれたノート、ノートPC、スマートフォン、コーヒーを置いた個人開発者の机を表すオリジナル画像
単発の回答だけでなく、道具や作業環境を使う長時間の仕事をAIへ渡す選択肢が出てきました。

OpenAIは2026年9月10日、Agents APIをpublic betaとして公開しました。これは、CodexやChatGPT Workを支えるAgent harnessとinfrastructureを、開発者がAPIから利用できるようにする仕組みです。

「CodexそのものをAPI化したもの」と言い切るのは正確ではありません。ただ、AIへ仕事を渡し、Toolやsandboxを使って長時間進め、必要ならsubagentへ分担するというCodex型のAgent運用に近い土台を、アプリやサービスに組み込めるようになります。

項目要点
公開2026年9月10日
提供状況Public beta
長時間AgentSessionとcontext managementを使う構成が案内されています。
作業環境OpenAI管理sandbox、自前infrastructure、partner環境を選べます。
ToolMCP、custom functions、built-in tools、web searchなどを利用できます。
追加API利用料なし。モデルtokenやToolなどの利用料金は別です。

OpenAI Agents APIとは? AIへ「回答」ではなく「仕事」を渡すためのAPI

従来のモデルAPIは、入力を渡して回答を受け取る形から始められます。Agents APIでは、task、model、tools、environmentなどを指定し、1回のAPI呼び出しからcloud agentを作る流れが公式に案内されています。

ここでいうAgentは、勝手に何でも実行する存在ではありません。開発者が指定した作業環境と、許可したTool、指示、権限の範囲で、必要なステップを組み立てる仕組みです。ファイルを調べる、コードを実行する、成果物を作る、といった作業まで含めて設計できます。

初心者向けの要点

「モデルに質問して文章を返す」だけでなく、「この環境と道具で、この仕事を終えて」と依頼し、途中経過を持ちながら進めるためのAgent基盤です。

普通のOpenAI API・Responses APIと何が違う?

通常のモデルAPIは入力、モデル、回答の流れ、Agents APIは仕事、Agent、Tool、Sandbox、Session、結果とSubagentの分岐を示すオリジナル図解
Agents APIは、モデルの応答処理に加え、長く続く作業を進めるための環境や状態管理をまとめて扱います。
観点モデル / Responses APIを使う構成Agents APIで追加される中心
基本モデルとToolを使った応答処理を組み立てる基盤Agent harness、environment、sessionなどを含む管理された作業基盤
作業時間単発・比較的短い処理にも向く複数context windowにまたがる長時間workflowを設計しやすい
分担必要に応じてアプリ側で設計する独立したcontextを持つsubagentへ作業を分けられる

Responses APIを「古いAPI」や「Agents APIに置き換えられたもの」と捉える必要はありません。単発の応答、シンプルなTool利用、Function CallingならResponses APIを中心に組み立てる選択肢は残ります。Agents APIは、長時間のAgent運用で必要になりやすい仕組みまでOpenAI側が提供する、より上位のレイヤーとして見ると整理しやすいです。

Agentが作業するenvironment:OpenAI管理、自前、partnerを選べる

Agents APIでは、Agentをどこで動かすかを選びます。OpenAI公式は、OpenAI-managed sandbox、自分のinfrastructure、sandbox partnerという選択肢を案内しています。

OpenAI hosted sandbox

OpenAIが用意・管理する隔離環境です。Agentはコード実行、ファイル操作、artifact生成などを行えます。これはユーザーのPCを自由に操作する機能ではありません。

自前infrastructure / partner

既存の実行環境、ネットワーク、データ管理の要件がある場合に検討する選択肢です。公式発表ではCloudflare、Vercel、E2Bなどのsandbox partnerも紹介されています。

どの環境でも、Agentへ渡す権限と利用できるToolの範囲を設計することが重要です。「APIを使えば任意のサイトや社内データへ無条件にアクセスできる」という意味ではありません。

Sessionとcontext compaction:長時間作業をどう続ける?

Agents APIのSessionは、1回の質問と回答だけで終わらない作業を扱う単位です。公式リファレンスでは、Agent configurationとenvironment設定を含むmanaged sessionを作成できます。

長い仕事では、会話や作業記録がモデルのcontext limitへ近づきます。OpenAIは、必要な情報を維持しながら以前のcontextを自動的に圧縮するcontext compactionを案内しています。これにより複数のcontext windowへまたがるworkflowを構築できます。

これは無限に記憶できるという意味ではありません。何を残すか、いつ外部ストレージを使うか、仕事をどう区切るかは、アプリ側でも設計と検証が必要です。

Tool Search・MCP・programmatic tool callingで、道具を扱いやすくする

大量のToolを最初から全部渡さない「Tool Search」

Tool Searchは、必要なTool定義を必要なときに読み込む仕組みです。初心者向けには「最初からすべての道具の説明書を渡すのではなく、仕事に必要な道具を探して説明書を読む」イメージです。token使用量とコストを抑えつつ、Toolが多い構成を扱いやすくします。

並列・連鎖・集計を扱うprogrammatic tool calling

OpenAIは、Tool呼び出しの並列実行、関連操作のchain、結果のfilterやcombineをcodeで扱うprogrammatic tool callingを案内しています。たとえば複数の調査結果を集めて、必要な項目だけをまとめる工程を設計できます。

MCP、custom functions、built-in tools

Agents APIでは、MCPをToolとして使うほか、custom functions、built-in tools、web searchなどを利用できます。利用可能なToolとその権限は構成によって異なるため、実装時には最新の公式ドキュメントで確認してください。

Subagentとmulti-agent:複雑な仕事を分担する

Main Agentから調査Agent、コードAgent、レビューAgentへ分岐し、結果を統合する流れを示すオリジナル図解
subagentは別々のcontextで仕事を進め、main agentが結果をまとめる構成です。

Agents APIでは、複雑な作業を複数のsubagentに分けて並列実行できます。各subagentは独立したcontextを持ち、main agentが結果を統合します。

たとえば架空のアプリ企画調査なら、main agentが「競合調査」「価格調査」「レビューの整理」を別々のAgentへ依頼し、その結果を統合してレポートにする構成が考えられます。これは実在サービスの機能を保証する例ではなく、利用可能なTool・権限・設定に依存します。

Codex・ADK for Kotlinとどう関係する?

対象主な位置づけ
CodexOpenAI公式では、Agents APIはCodexやChatGPT Workを支えるagent harnessとinfrastructureを開発者へ提供するものと説明されています。Agents APIを単純に「Codex API」と呼ぶのは正確ではありません。
OpenAI Agents APIOpenAI管理のharness、sandbox、session、context management、subagentなどをAPIから利用する仕組みです。
ADK for KotlinGoogleのKotlin / Android側でAgentを組み立てるためのframeworkです。目的や使うレイヤーが異なり、単純な競合関係とは限りません。

Codexで長い開発作業を任せる感覚に関心がある人にとって、Agents APIは「そうしたAgent運用の土台を、自分のサービスから扱うにはどうするか」を考える入口になります。ただし、beta中のため、仕様や対応範囲を固定されたものとして扱わないほうが安全です。

料金はいくら? 個人開発者は今すぐ使うべき?

OpenAI公式発表では、Agents API自体に追加料金はありません。一方で、利用したモデルtokenやToolには、それぞれの料金がかかります。具体的なモデル単価・Toolの料金は変わる可能性があるため、実装前にOpenAI公式Pricingを確認してください。

検討しやすいケース

  • 複数ステップの作業を進めたい
  • ファイル操作やコード実行が必要
  • 多くのToolを使う
  • 長時間・非同期のworkflowがある
  • subagentへ調査やレビューを分担したい

まだ不要なケース

  • 単純な文章生成を1回呼ぶだけ
  • 短い質問への回答だけで足りる
  • Function Callingが少数で、状態管理も小さい
  • Agent infrastructureの導入コストの方が大きい

個人開発での例としては、競合調査の収集・整理、公式情報を調べる記事作成補助、コード確認とテスト・レビューの分担などが考えられます。まず「本当に複数ステップの仕事か」を見極め、単純なAPI呼び出しで足りる場合は小さく始めるのが実用的です。

Agents APIはpublic betaです。OpenAIはフィードバックを受けながらGAへ向けて改善すると案内しています。長期互換や仕様固定を前提にせず、production利用では検証・監視・失敗時の設計を用意してください。

まとめ

OpenAI Agents APIは、Codexを支えるAgent harnessとinfrastructureを開発者へ開くpublic betaです。sandbox、session、context compaction、Tool Search、MCP、subagentを組み合わせ、回答だけでなく長く続く仕事を扱いやすくします。

一方で、すべてのAI機能に必要なものではありません。単発の応答や小さなTool利用なら、既存のモデルAPI・Responses APIで十分な場合もあります。作業環境、権限、料金、beta中の変化を確認しながら、複雑な仕事から試すのがよさそうです。

参考にしたOpenAI公式情報